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平戸市の病児保育について考える。

先日のキックオフミーティングで、参加者の方から「病児保育」に関するご意見をいただきました。私自身、十分な理解がなかったため、この機会に改めて調べてみました。病児保育について、私自身も改めて学びながら、分かりやすくまとめてみました。よかったら一緒に理解を深めていけたら嬉しいです。

病児保育とは

病児保育は、子どもが病気になった際に、保護者が仕事や病気、冠婚葬祭などで保育できない場合に、専用の施設や自宅で一時的に保育を行うサービスです。働く親にとって欠かせない支援制度として、国や自治体により推進されています。

病児保育の種類

病児保育は大きく施設型訪問型の2つに分類され、さらに以下の4つの事業形態があります。

1. 病児対応型

  • 病気の症状が安定しているが、集団保育が困難な子どもを対象
  • 病院・診療所・保育所に併設された専用スペースで実施
  • 看護師や保育士が常駐

2. 病後児対応型

  • 病気の回復期で集団保育はまだ困難な子どもを対象
  • 施設設備は病児対応型と同様

3. 体調不良児対応型

  • 保育中に体調不良となった子どもを対象
  • 通常の保育所内で看護師等が対応

4. 訪問型

  • 看護師や保育士が自宅を訪問してマンツーマンで保育
  • 子どもが慣れ親しんだ環境で静養可能
  • 感染の心配がなく、移動の負担もない

利用条件・預かり基準

以下の条件を満たす場合に利用可能です。

  • 体調不良の子どもを保護者が保育できない理由がある
  • 学校や保育園、幼稚園に通学・通園している(※サービスによっては未就園児も対象)
  • かかりつけ医による「第三者によるお預かりが可能」という診断がある

利用料金

利用料金は自治体ごとに設定されており、以下が一般的な相場です。

施設型病児保育

  • 1日あたり2,000円~2,500円(8時~18時)
  • 生活保護世帯や住民税非課税世帯は多くの自治体で無料
  • 給食や延長保育利用時は別途料金

訪問型病児保育

  • 1時間あたり1,500円~2,000円
  • シッターごとに料金設定が異なる

利用方法

施設型の場合

  1. 事前登録(多くの自治体で必要)
  2. かかりつけ医の受診・診断書の取得
  3. 施設への直接申し込み
  4. 当日の持ち物準備(薬、着替え、診断書等)

訪問型の場合

  1. サービス提供事業者への会員登録
  2. かかりつけ医の受診
  3. 電話やアプリで予約
  4. 保育士・看護師の自宅訪問

施設型と訪問型の比較

項目施設型訪問型
利用料金2,000円~2,500円/日1,500円~2,000円/時間
移動子どもを施設に連れて行く必要自宅で利用可能
感染リスク他の病児との接触可能性1対1なので感染リスク低
専門性医療機関併設で安心マンツーマンで手厚いケア
予約の取りやすさ定員に限りがある比較的予約しやすい

平戸市の病児保育の現状

平戸市には現在、病児・病後児保育を実施している施設はありません平戸市HP)これは平戸市の子育て支援における大きな課題の一つとなっています。

広域利用制度による解決策

令和3年4月1日から、「西九州させぼ広域都市圏連携事業」の一環として、近隣市町の病児・病後児保育施設の相互利用が可能になりました。これにより、平戸市民も以下の施設を利用できるようになりました。

利用可能な施設一覧

病児保育施設(佐世保市内)

病気の回復期に至らないが症状が安定している子どもを対象

施設名所在地電話番号開所時間対象年齢
さいくさ小児科病児保育室佐世保市権常寺1丁目10-80956-39-10058:30~18:000歳~小学6年生
かんべ小児科病児保育室佐世保市木宮町4-80956-47-57118:30~18:000歳~小学6年生
病児保育ひよこハウス佐世保市稲荷町20-100956-31-78288:30~18:000歳~小学6年生
いけだ小児科病児保育室佐世保市万徳町8-15080-8587-62538:30~18:000歳~小学6年生
病児保育室Teddy’s佐世保市吉岡町1747-50956-37-88138:30~18:000歳~小学6年生

病後児保育施設

病気の回復期で集団保育が困難な子どもを対象

市町施設名所在地電話番号開所時間対象年齢
松浦市今福保育園松浦市今福町東免2681-10956-74-01738:00~18:000歳~小学3年生
西海市瀬川こども園病後児室西海市西海町丹納郷766-50959-32-11408:00~17:000歳~小学6年生
東彼杵町やまだこども園東彼杵町蔵本郷1510番地0957-46-08248:00~17:000歳~小学3年生
川棚町みつばこども園川棚町下組郷24番地40956-82-36378:30~17:300歳~小学3年生
佐々町さざなみ保育園佐々町古川免1110956-63-25139:00~18:00未就学児
佐々町佐々青い実幼児園佐々町市場免113-70956-62-20739:00~18:00未就学児

地域の課題と今後の展望

現在の課題

  1. 平戸市内に施設がないため、近隣市町への移動が必要
  2. 距離的な制約により利用しにくい状況
  3. 離島・中山間地域という地理的特性による利用ハードル

事業開設の可能性

平戸市で病児保育事業を開設する場合の条件

  • 離島・中山間地域の特例措置が適用可能
  • 定員2人以下であれば職員配置基準の緩和あり
  • 医療機関併設型が推奨される
  • 市町村との委託契約が必要

まとめ

平戸市は現在市内に病児保育施設がない状況ですが、西九州させぼ広域都市圏連携事業により近隣市町の施設が利用可能となりました。とはいえ、平戸市の地理的な特性を踏まえると、仕事前にこれらの施設へ子どもを預けることは、時間的・体力的に大きな負担となるのが現実です。そのため、市内での病児保育環境の整備は喫緊の課題であると考えます。

病児保育事業者となるための要件や職員配置基準などを調べると、民間での運営は非常に困難であることが分かります。平戸市で新たに病児保育事業を立ち上げるには、自治体主導による地理的特性を踏まえた特例措置の活用や、医療機関との連携が不可欠です。
今後も、平戸市における病児保育の実現に向けて、必要な動きや制度の変化を注視しながら、継続的に情報収集を進めていきたいと思います

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